レーシックの最大限化に向けて
オックスフォード社の契約譲渡は当のメディケイド・マネジドケア保険加入者を不安に陥れたことは事実であるわが国では国民皆保険制度の下で、国民すべてが健康保険を所持している。
しかし、「健康保険」というのは、実に奇妙な名称である。
というのも、健康そのものは保険の対象とはならないからである。
保険の対象になるのは健康を損なうこと、つまり、疾病に伴う経済的な損失リスクである。
それゆえ、医療保険と呼ぶのがまだ相応しいはずである。
さて、民営「健康保険」、HMOの問題点はこれまでにも述べたとおり、深刻である。
そのいずれの問題もが、加入者の病気や怪我が治るまで面倒をみるというHMOの約束を果たさんがために、マネジドケアと総称される一連の医療プラス財務の管理プロセスを講じる中で起こっている。
しかし、その問題の所在は意外なほどに明白になりそうである。
要するに、どの医療保険サービスを約束すると医療別にオックスフォード社に限らず、ほかのマネジドケア医療保険会社、HMOでも同様の問題を抱えていることは想像に難くない。
民営医療保険の分野で、米国が世界の中で最も進んでいるとはいえ、まだまだ医療保険のリスクマネジメントは完成の域に達していないことを教えているのである。
米国の民間医療保険は七〇年代に入って大きな変革期を迎えた。
それまで一般の保険会社は保険料算定にあたってグループごとに行っていた。
いわゆる、エクスペリエンスレイト法である。
これは、保険料を決めるにあたって、それまでの保険請求状況の一部あるいは全部について考慮し、特定のグループ、あるいはグループの集まりに対して、今後の保険契約から予想される収入に基づいて計算するもので、とくにコミュニティ全体の統計を必要とするものではない。
そのことは、とりもなおさず、民営だからこそ、「健康保険」経営の責任の所在が明らかにできるからである。
いうまでもなく、営利、非営利にかかわらず、当のHMOの経営者の責任である。
また、先の保険料問題ひとつとっても、米国の民間保険会社だからこそ会社の情報開示は避けられず、おそらくは公営保険よりも経営の透明性が高いかも知れない。
そのようなHMO、そしてマネジドケアがまだ完成に至っていないことは、これまでの説明からもご理解いただけたのではないか。
つまり、未完なり、未熟さゆえに、マネジドケアは米国社会の反発を買い、「罪」を作ったが、「功」についても多くのことが認められている。
完壁ではないとはいえ、米国民営医療保険が採用している保険料算定とはいかなるものなのであろうそれを理解するためにはHMO出現以降の民間医療保険の保険料算定の取り組みの変遷をみる必要従業員医療費の増大に頭を悩ませていた大企業などが、この頃になって自分たちでも医療保険のリスクマネジメントができることに気が付き、節税などの経理上の有利さもあって自主保険による保険料も高くなる。
そのため、この算定方式による、個人加入者やブルークロス・ブルーシールドの加入者たちの保険料を上げる結果を招いた。
ところで、HMOの場合には、八八年以前の保険料算定は、コミュニティレイト法かその変型に限られていた。
だから、加入者の過去の請求履歴や潜在的なリスクにかかわらず、すべての人に同一の料金設定が採用されることとなった。
しかも、この保険料設定方法は団体と個人の両方に適用されていた。
ブルークロス・ブルーシールドで始まったこの方法は、支払い可能なコストで最も幅広く住民に利用できる保険であるべきというHMOへの委託指針を十分に満たすものであったが、しかしながら、これでは企業の自主保険に勝って、雇用主を顧客にするような魅力ある保険にすることは難しい。
このことは以前のLの事例からもわかるように、HMO法の施行に合わせて新しいタイプの医療保険を手掛けたものの、事業として立ち上がるまでにずいぶんと時間がかかるという苦難を経験させる結果となった。
そして、政府による法改正が繰り返されて事業発展が可能となった経緯を踏んでいる。
HMOの保険事業成立のための一連の規制緩和のなかでも、八八年のHMO法改正では、条件付きながら、HMOの保険は、従業員数一〇〇人以上を雇用する者に対しては、それまでの請求履歴に基づいて個別に保険料金を設定することが可能となった。
つまり、この規制緩和をきっかけに、HMOは保険採算性の良好なグループを加入者として取り込むことが可能となったのである。
しかし、この観点からすると、「八〇年代後半から九〇年初頭までは、HMOと既存の医療機関との間の競争は金銭の節約にはならなかった」とも批判されている。
すなわち、HMOは健康な加入者グループを医療保険の会員に集めていたにすぎず、従来方式の保険料算定をしっかりと裏で行って利益を稼いでいたはずだということである。
その結果、次第に雇用主側の不満が高まることとなり、そういった従業員への対応も迫られることとなった。
また、当初に加入した従業員たちも年をとるに従って医療費支出が増え、HMOの収支が悪化し出した。
そして、九〇年初頭頃にはHMOの倒産や統合が相次ぐこととなった。
そして、医療保険リスクの合理化を果たせたHMOだけが生き残り、その後の数年間の間に多くの従業員を抱える企業雇用主達から高い評価を得ることができたわけである。
余談だが、次に来た波が大保険会社によるHMO参入であり、そのためにHMO加入者はあっという間に膨大な数になり、保険会社九〇年代初頭の経営危機を生き抜いたHMOのリスクマネジメントは、既存の医療保険との競争に勝てる割安な保険料設定ロジックへの取り組みに他ならない。
マネジドケア医療保険における保険料率算定の一般的なプロセスは次のようになる。
I顧客や加入希望者のそれまでの履歴を調べる。
具体的には、これまでの催病傾向、給付内容、年令別性別人口構成、医療機関とのサービス契約内容等々蒲\想される費用請求額と保険料とを比較するこれはあくまでも大雑把なステップであり、実際にはこのほかにも償還払いの仕組み、前回の保険請の市場競争問題も含めてマネジドケアが一挙に社会問題化したわけである。
参考までに付すと、HMOの保険料率については、全保険料収入に対する医療費請求支出額の割合であるメディカルロス率に基づいて団体ごとに決められた上限により、毎年、調整される。
このような料率の上限は三〜五年間は保証されるという。
小さな会社との契約では、特定の州法に従うことになり、州ごとに異なってくる。
このようにマネジドケア医療保険のガイドラインはHMOの規則や規制に基づく独特のもので、従来の損害保険とはかなり異なるものである。
求履歴、医療サービスタイプ別利用度予測、給付パッケージの調整、事業競争上の他社比較、マネジドケア環境の調整、タイミングの調整などが必要となってくる。
わが国の医療管理学の中で、医療の「統合性」という用語が使われるのは、患者の状態に応じてふさわしい医療を受けられる仕組みがあるか否か、つまりは患者の紹介の仕組みがよくできているかどうかが検討される場合である。
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